都内で八重桜が見頃を迎えた2022年4月16日(土)、シェアプレイスのひとつ「りえんと多摩平」がある東京都日野市多摩平で、「第9回 多摩平の森 さくらまつり(以下、さくらまつり)」が開催されました。
「りえんと多摩平」に住む入居者たちが毎年心待ちにしながら、2019年の開催を最後に新型コロナウイルスの影響で開催が見送られていた「さくらまつり」。今年、3年ぶりに開催されるということで足を運んでみると、そこには想像を超えた多世代交流の光景が広がっていました。
「さくらまつり」とは
「りえんと多摩平」は、リビタのシェアプレイスのなかでもユニークな、“団地型シェアハウス”。その大きな特徴は、多世代交流にあります。
「りえんと多摩平」があるのは、東京都日野市にある旧多摩平団地。現在は「多摩平の森」と呼ばれている場所です。老朽化した団地のうちの5棟が、団地型シェアハウス「りえんと多摩平」の2棟、菜園付き共同住宅「AURA243多摩平の森」の1棟、高齢者向け住宅「ゆいま〜る多摩平の森」の2棟から成る「たまむすびテラス」として生まれ変わりました。
多世代が隣接して暮らす「たまむすびテラス」は、他の地域ではなかなか見ることのできない、多世代の交流が生まれています。
その交流の象徴の一つが、2012年から開催されてきた「さくらまつり」。「たまむすびテラス」全体とと、まちづくりをともに行うパートナーが協力しながら運営しているイベントです。
イベントの様子
中止となった一昨年と去年に続き、今年も直前まで開催が危ぶまれましたが、感染状況を注視しながら開催を決定。当日は青空のもと、満開の八重桜にかこまれながら、パフォーマンスやブース出店が行われていました。
ステージでは、縄跳びのギネス記録保持者であり、多摩平の森に住む住民である岡本悠さんのチームによる縄跳びパフォーマンスが行われていました。
普段なかなかみることのできないパフォーマンスに、子どもからお年寄りまで大喝采。
実は2020年の夏に「りえんと多摩平」を卒業し、そこから徒歩圏内にある「多摩平の森」に引っ越した岡本悠さんは、「さくらまつり」の感想をこんなふうに語ってくれました。
「僕の出身は大阪なんですけど、もう多摩平に7,8年住んでるので、ここも地元みたいな気持ちになっています。まちをよくしていきたいという気持ちがあるので、こうしてイベントでパフォーマンスをしたり、縄跳び教室をやったりといったように、地域で活動できるのは嬉しいですね。」
そして、会場内では「りえんと多摩平」のなかにあるマンガ家のシェアハウス「多摩トキワソウ団地」のみなさんが、似顔絵ブースを出店していました。
その似顔絵のクオリティに、訪れた方からも驚きの声が!
2021年の6月から「りえんと多摩平」に暮らすマンガ家、瀬川竜さんは、「さくらまつりは初めての参加ですが、和やかでいい雰囲気ですね」と、感想を聞かせてくれました。
「前は別の場所にあったマンガ家向けシェアハウス『トキワ荘』に住んでいたのですが、『りえんと多摩平』に『多摩トキワソウ団地』が移転したのに伴って引っ越してからは、色々な世代の人と交流することが増えましたね。」
「今回のさくらまつりもそうですし、以前イオンモールで出店した似顔絵ブースでも、僕の漫画の展示を見たご家族が訪れてくれ、みなさんの似顔絵を描かせてもらいました。とても喜んでもらえて、嬉しかったですね。」
他にも、ステージではハンドベルの演奏も。
また、住民による無料の占いブースや、苔玉づくりワークショップ、フリーマーケットなども開かれていました。
その横では、ゲームで遊ぶ子どもたちの姿も。
桜の木の下にビニールシートを敷き、わいわい話す姿も、ここ数年は見られなかった懐かしい光景です。
「りえんと多摩平は多世代の交流を特徴としている」ということは聞いてはいましたが、こうして「さくらまつり」に訪れてみると、老若男女が垣根なく交流しており、本当に多世代交流が生まれているんだということを実感することができました。
まとめ
新型コロナウイルスの影響により、祭りやイベントの機会が減り、地域の人々との関わりが希薄になっています。しかし、防災や防犯といったもしものときのため、また生きがいを持って暮らしていくためにも、地域の人々との関わりは重要です。
そういった意味で「りえんと多摩平」は、そうした地域の人々との関係性が育まれている、稀有なシェアハウスだと言えそうです。
「地域のさまざまな世代の人々と関わりながらシェアハウスで暮らしてみたい」と考えている方は、ぜひ一度多摩平を訪れて、その雰囲気を体感してみてくださいね。
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